近年注目を集める『祈りの力』(「宇宙への短冊」より転載)

【祈りの力】ですが、一般的に『祈り』というと、近代社会では

どこか宗教的な意味合いが強いものになっています。

特に世界の人口67億人のうち、4分の3以上は特定の宗教信者

(キリスト教徒21億人、イスラム教徒13億人、ヒンズー教徒9億人、

仏教徒4億人、道教や 儒教の教徒が4億人)といわれているので、

無宗教・無神論者が多い日本においては、

『祈り』=宗教行為の一部としての印象が強いかもしれません。

しかし、『祈り』という行為は、文明が始まった古代より、

人間の根源的な欲求に基づいた活動様式として

大変重宝されてきました。

特に日本人とは、もともとは『祈り』の民であり、

『祈り』は人々の生活の一部でもありました。

それは、古代より天皇が「祭司(さいし)王」と呼ばれ、

国を代表して専門に「祈る人」であった影響も

強いのかもしれません。

ところが文明の発達に伴い、いつの日からか『祈り』は、

特定の宗教行為の一部として、人々の日常からはすっかり

切り離されてしまいました。

今でも日本では、各地での祭り、そして七夕や初詣のように

『祈り』に関連する行事も限定的に残ってはいますが、

『祈り』本来の持つ力や意味は忘れ去られてしまっているように

思えます。

ところが、ここ数年、アメリカを中心とした先進国の中では、

『祈り』というものが新しい視点で大変注目を浴びています。

それは、バーバード大学、コロンビア大学などの権威ある

大学が、こぞって『祈り』の研究を進めているからです。

ハーバード大学のハーバード・ベンソン教授は『祈り』が呼吸数、

心拍数、二酸化炭素排出量、酸素消費量の抑制を確かめ、

『祈り』がガンや糖尿病、不妊症などの病気に

効果的に働くこともわかってきました。

他にも、1200例以上の『祈り』に関する研究データが

次々に確認されていますが、医学と科学、そして宗教を超えた

その驚きの研究結果に、世界中の人々が今、

『祈り』に関心を高めています。

スピンドリフトによる実験による、効果的な「祈りの方法」

10年以上にわたり『祈り』の効果を客観的に研究している機関に「スピンドリフト」という組織があります。

そこでは麦の発芽と『祈り』の関係を実験して、

祈り方や祈りの時間の長さ等々、

効果のある「祈りの方法」について調査をしました。

その結果、以下の7つの特徴がわかってきました。

1.『祈り』は実現する
麦の発芽の実験で、祈られたグループの種子のほうの

発芽率がはるかに高かった。

(何度実験しても同じであった)・・・・

『祈り』は発芽の成長に効果があった。

2.苦しい時ほど『祈り』の効果がある
発芽しにくいように、麦の種を浸している水に

塩分を加える実験で、塩分の濃度を増やすほど

(つまりストレスを多く与えるほど)

『祈り』の効果が大きかった。
このことから、祈ってもらう人が重い病気であるほど、

あるいは、つらい、不幸な境遇にあるときほど、

『祈り』の効果が大きいと思われる。

3.『祈り』の量は『祈り』の効果と比例する
麦の発芽の実験で、祈る時間を2倍にした場合は、

発芽率が2倍になった。
このことは病人のために祈る場合、時々、

祈る場合よりも、いつもその病人のことを思いながら、

できるだけ多く、『祈り』の念を送ってあげるほうが、

病人のためによいといえる。

4.対象を明確にした祈りが効果的
『祈り』が効果を持つためには、誰に対して祈るか、

或いは何に対して祈るかと、はっきり『祈り』の対象を

明確にして祈るほど、『祈り』の効果がある。
このことから、ただ漠然と祈るよりも、

「病気のAさん、Bさん、Cさん、Dさん」と

一人一人を意識しながら祈るほうが

効果が大きいといえる。

5.祈りの対象の数が増えても効果は減らない
種子を用いた実験では、種子の数が多くても少なくても、

結果は同じだった。
このことから、『祈り』の対象数がいくら増えて、

例えば1人の人への『祈り』であろうと、

5人、10人であろうとも、

『祈り』の効果は変わらないといえる。

6.祈りの経験の長い人ほど祈りの効果が大きい
実験によって、『祈り』の経験の長い人のほうが、

浅い人よりも大きな効果を生むということが分かった。
よって「困った時の神頼み」で、

急に思い立って祈る人よりも、

ふだんから神棚や仏壇に向かって

『祈り』をしている人の『祈り』のほうが、

効果が高いといえる。
その意味では、神主や僧侶、神父、牧師の

『祈り』の効果は大きいと思われる。

7.「無指示的な祈り」は、「指示的な祈り」より効果が大きい
「指示的な祈り」とは、例えば、ガンが治癒すること、

苦痛が消えることなど、

祈る人が特定の目標やイメージを心に抱いて祈ること。
いわば祈る人は宇宙に

「こうしてくれ」と注文をつける祈り方である。
無指示的な祈りは、なんらの結果も想像したり、

注文したりせずに、ただ、

「最良の結果になってください」とか

「神の御心のままにしてください」と

宇宙を信じてお任せする祈り方。
実験結果では、「指示的な祈り」と「無指示的な祈り」の

どちらも効果は上がったが、

「無指示的な祈り」のほうが

「指示的な祈り」の2倍以上の効果をもたらす

ことも多かった。

ランドルフ・ビルド博士による実験

続いて「祈りの研究」は、医療現場でも注目を

浴びてきています。
元カリフォルニア大学

心臓学教授ランドルフ・ビルド博士は、

心臓病の入院患者393人に対して厳密な実験を行い、

『祈り』には大変な治癒効果があることを証明しています。

実験では、まず患者を、祈られるグループと

祈られないグループとに

コンピュータで無作為に振り分けました。

次に、患者のために祈る人たちを

全国の教会から募集し、

祈られるグループの患者の名前・病状を教えて、

毎日その人のために祈るように依頼したのです。

その結果、他人に祈られた患者は、

祈られなかった患者より

人工呼吸器、抗生物質、透析の使用率が少ない

ことがわかりました。

それも、西海岸にあるこの病院に

近いグループからの『祈り』も、

遠く離れた東海岸側からの『祈り』も、

同様に効果がありました。

もちろん、これらの患者は

祈られていることすら知らなかったのです。


これらの実験結果は、大変興味深いデータであり、

より研究が進めば、近い将来に『祈り』の持つ効果は、

多くの人々に一般的に知られるようになるかと思います。

そうすると、古代の人々のように、

『祈り』という行為が宗教や科学を超えて、

再び人々の生活の一部になってくるものと思われます。